2012年7月24日火曜日

断絶(原題:Two-Lane Blacktop)

 

1971年 アメリカ 102分
監督 モンテ・ヘルマン
製作 マイケル・S・ラーフリン
撮影 ジャック・デイルソン
脚本 ウィル・コリー ルドルフ・ワーリッツァー
音楽 ビリー・ジェームズ

先日、TVにジェームス・テイラーが出るみたいなので、若い頃のかと思って
急いでチャンネルを合わせたらすっかり禿ちゃった彼の姿が。
相変わらずイイ声してはいるが、彼の唯一の映画出演作であるこちらを観たら、
今が切なく感じます、たぶん。

観にいったのは、お気に入りの映画館だった今は亡きシネヴィヴァン六本木。
行き場のない雰囲気と空虚なトーンが疾走する、印象的なアメリカン・
ニューシネマ。一言でいうならば、ひたすら放浪野郎たちの黄昏、
ってな感じであらすじは有って無いようなもので微妙なんだけど、
乾いた空気感が沁みてくるのです。

この頃の私は、訳が分からない不条理&枯れ果てた映画が好きでした。
他の枯映画といえば、ハービー・ハンコックのBGMがカッコイイ
「欲望(Blow up)」ジェーン・バーキンもチラッと出ているアントニオーニの
ネオ・リアリズモですね。両者は反体制的というか何というか時代的に
共通するものがあります。

路上の自動車レースといえば、ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」を
思い出しますが、同じジェームスでもこの映画にはジェームス・テイラーと
ビーチボーイズだったデニス・ウィルソンが出演しています。
そして、ちょっと曰くつきなエピソードは、5人の出演者のうち、
存命のジェームス・テイラーとハリー・ディーン・スタントン以外、
散々な最期だったことです。デニスはラリって溺死、アート・ガーファンクルの
彼女だったヒロインのローリー・バードは自殺、ウォーレン・オーツは
心臓発作で急死。そんなところにも空虚感が。

やっぱり長生きしとうございまする。

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