2018年9月28日金曜日

見えぬ尽力、物差しとしての熱意

熱意って、表面に出ていなければならないものなのでしょうか。表面に出ていることが全て正しいとは限らないように、一見やる気がなかったり消極的に見えても、内部にはマグマが湧きあがっているもの。ただ、その時をむかえるまで外野にペースを乱されたくないのです、と思うのですが皆さんはいかがでしょうか?


  個人的に応援しているオーストラリアの調香師テオーネさんが、最近彼女のSNSを止めたり再開したりしています。ご自身のブログによれば、FBとインスタグラムのアカウントを消された後「SNSでプロモーションや情報発信を続けるべきよ」と娘さんに促さたそうです。インスタグラムは復帰されましたが、FBに関してはまだ分からないそうです。

 チェックされている方はお気づきかと存じますが、米国最大の香水SNS「Fragrantica」でTRNPの新作の更新がありません。調香師さんは「誰かさん(大方誰かは予想がついているとの事)が幾つかのアカウントを用いて香水の評価を下げて回っているので、自分の作品ページを見るとぞっとします。最近はそこに新作を載せるのを止めました。その人は私の香水というより、私自身に不満があるようです」と話されていました。
 この半年の間に極端に調香師さんの香水の評価が落ちていたので、人為的なものがあるのだろうなと気が付いていました。しかし、初めてFragranticaでテオーネさんの香水をパッと見た人は「あまり出来が良くないのだな」と思うでしょうね。

 バカバカしい事ですが、SNSを鵜呑みにする方々もおられますし、対象に関してSNSが唯一の情報源だったりすると、映画のレビューと同じでいっぺんに悪印象を持たれてしまいます。SNSが束の間の息抜きなら楽しいのですが、生の情報が正しいとは限りません。情報や印象操作に使われている件も頭の隅に置いておく必要があります。そこら辺を考慮してレシピなり豆知識なりニュースなり参考にするのであれば、有意義なツールになるんじゃないでしょうか。

 急かしてほしい時もありますが(否が応でも急がなければならないイラストの仕事は別)、制作者(に限った事ではないかもしれません)はペースを乱されたくないのです。周りからすると緩かったりモタモタしているようでも、当事者には時間が足りません。別の仕事も忙しかったり、家の事情もあったり、制作に関しても下準備などで格闘していて、報告する時間がないのかもしれません。
 以前、海外の某絵本展にブースを構える出版社へ持ち込みをする事もあり、公募展に応募した経験がありました。公募展自体は良いのですが、国内の主催者さんの印象はあまり良くなかったです。「まだ受かっていないからダメ」と線引きをして「努力が足りない」「出直してこい」と乱暴に言われたので驚いてしまいました。相手が努力しているかどうかが、1~2回会って少し言葉を交わしただけで分かる人もいらっしゃるんですね。公募展の話しかしていないのに日常の尽力も測れるなんて、それこそ霊感がおありになるのかも知れません。スポ根を持ち込むのが何とも不可思議でした。熱意とは相手の物差しの一つに過ぎないのかも知れません。

 ペースが乱れない=自分がぶれない、ましてや根性は完全にはクリエイティブな時間や学びと一致しないんですよ。(※予備校は希望の大学を目指す場なので別の話です)一部とやり方が合わなくても、別の部分での理解者がいる。テオーネさんも「私は制作の為にSNSから遠ざかる必要があります」と話していて、私自身もそうだなと感じました。楽しめないのなら、距離を置きましょうと自分に言い聞かせています。

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