先週は「不思議な少年44号」へご来場いただきましてありがとうございました。
あと1週間ございますので、お時間がございましたら是非お越し頂ければと思います。
その44号を読みながら描いていた人物スケッチを載せています。
Sketches for No.44 the Mysterious Stranger by Mark Twain
人物が多いと把握できないので、スケッチしながらの作業でした。
オジサンの方が描いていて楽しいのは私だけじゃありませんよね??
不思議な若者だけじゃなくて、不思議なオッサンがもっと活躍すればなぁ。。。
妄想)
映画「ドーンキヴァダム」
キャッチフレーズ:「俺に構うな、俺は構わぬ」
ドーンキヴァダム: ジローラモさん
グーテンベルク: ゼバスティアン・コッホ
シュタイン: ウド・キア
シュタイン夫人: ハンナ・シグラ
アグリコラ: ルトガー・ハウアー
スフォルツァ公: ジュリアーノ・ジェンマ
アドルフ大司教: クルト・ユルゲンス
※世代生没バラバラ。
10歳の頃、俺はおふくろに先立たれ、飲んだくれの親父は若い女と出て行った。
家を出た俺は、深い森の中で行き倒れになるところを
シュタインという禿げ掛かった男に助けられた。
シュタインは俺より10歳ほど年上でグーテンベルクの活版印刷工房で働いていた。
俺も奴の紹介でそこに雇われ、11から最新鋭の印刷技術を学び、
旧友シュタインの家にやっかいになり、花屋の奥さんと初体験をし……
という生活を送っていた。
親方はトルコへの戦いを誘発する為、カリストゥス3世の書簡作りに精を出していた。
1465年、親方が印刷技術の功績によりアドルフ大司教
アドルフ・フォン・ナッサウ)の宮廷に召し抱えられたという吉報を聞いた。
親方は立派になったと俺の肩を叩きながら、
「君は用心棒のような印刷工になりなさい」
と満足そうに笑った。その3年後の1468年に親方は亡くなった。
しばらくはシュタイン家に厄介になっていたが、もっと広い世界に出てみたくなった。
2年後、先輩として親方の弟子に教えることは全て教えた俺はシュタイン家に
「放浪修行に出掛ける。俺に構うな、俺は構わぬ」
と置手紙をし、マインツを去った。
俺はミラノに渡り、俺より1つ年上の貴族ガレアッツォ・マリーア・スフォルツァに
気に入られ、そいつお抱えの技術屋になって何不自由なく暮らした。
ミラノ公は芸術が好きな権力者で、たくさんの芸術家を招き入れていた。
月日は過ぎ、1471年26歳にして熟練の印刷工になっていた俺は
男前が災いし、女のことで聖歌隊員のアレクサンダー・アグリコラと
決闘騒ぎを起こした。
彼奴は取っ組み合いの最中に衝撃的なことを言った。
「最初に君を見た時から気付いていた。血は争えぬものだ。
盗賊団の頭領がハーメルンでひと暴れしている。そう、君によく似たお尋ね者さ」
俺はめっぽうショックを受けてアグリコラの尻を蹴った。親父が盗賊だと?
数日後、俺は鍛冶職人から丈夫な鎖帷子と刀を買い、
「親父と決着を着けます。俺に構わないでください、構やしません」
とミラノ公に書き置きをして立ち去った。
決着の前に、俺はシュタインをたずねた。
シュタインの奴は2度目も結婚し、無愛想な奥さんをもらい
たまにやって来る城主から城の部屋を借り、そこで印刷工房を営んでいた。
皆は俺のことを「ドーンキヴァダム(少しもかまわぬの意)」
と呼ぶようになっていた。
スフォルツァは独裁的という理由で暗殺されちまった、とシュタインが教えてくれた。
夜、タイツ一枚で過ごしていたら、俺の客間のドアをノックする音が聞こえた。
それはシュタイン夫人だった。彼女は寝間着にケープを羽織っているだけだった。
――やるしかない! やるしかない! ああ、やってやるとも。
一線を越えたことは秘密だ。俺はここへ留まる訳にはいかない。
いや、そうじゃなくて、俺にはやることがある。
例え、奇妙な番号のついた訪問者のことで一悶着あっても
魔法使いがそいつを焼き殺したとしても、俺は一向に構わぬ。
俺は親父と決着をつけるまで彷徨い続けなければならんのだ。
続)
・・・なんか、えらい長くなってしまった(汗)
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